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STEM CAFÉ

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STEMとは?
Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の
頭文字です。科学、技術、工学、数学の学びの世界を現役大学生、女性研究者たちに
お話しを伺い、STEM CAFÉでお伝えします。

ものづくり×女子 = ものづくり系女子-01

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ものづくりをガーリーに楽しむものづくり系女子。かわいいモノも、かっこいい技術で作られていることを知らせたい。そんな想いから『ものづくり系女子』活動をスタートさせた、代表の神田沙織さんにお話を伺いました。
神田沙織さん プロフィール
大分県で製造業に携わる父のものづくり英才教育により、寸法は常に「mm単位」、週末のドライブは「工業団地」といった子供時代を過ごす。日本女子大学家政学部家政経済学科2008年卒業。アッシュ・ペー・フランス株式会社にてセレクトショップ「Lamp harajuku」プレスを務めるかたわら、慶應義塾大学SFC訪問研究員、しぶや図工室企画運営、「ものづくり系女子」としても活動中。

まず神田さんの代名詞でもある『ものづくり系女子』結成についてお伺いします。
大学卒業後入社した会社が3Dプリンタを扱う製造業で、すごく女性が少なく、男性の多い職場でした。会社の先輩や取引先の方で女性がいらっしゃると、お互いにすごく嬉しくって。取引先の方も「初めて女の子の担当が来たわ」とか、すごく喜んでくださるんです。それが嬉しいなと思ったのがきっかけで、「ものづくりをしている女性たちが集まったら楽しいんじゃないかな」と。
1人で言うだけでは始まらないので、最初は会社の同期を誘って、5人、7人、10人...ってなったとき、Twitterで「ものづくり系女子結成しました!」って言ったら何人もの人にリツイートされ、「私も入れるのかな」、「それ楽しそうやりたい」とか、本当に見ず知らずの人が集まってきました。そんなときに冗談半分で、三次元CADの頭文字をとって『CAD48』という『女の子が48人』集まったら、面白いんじゃないかなみたいなことを言っていたら、1週間で集まったんですよ。
えっー!48人?
はい。それで「集まりました」とあんまり言っていると本家から怒られるかもしれないし(笑)しかも48人より増えちゃったし、そのときくらいしか言ってないんですよ。それからはそれぞれやりたいことで集まるみたいな感じでやっています。今では140人を超えています。
集まったメンバーは理工系に限らず、芸術・アート系、服飾関連など幅広いですね。以前お会いしたとき、ものづくり系女子の制服作りやスマートフォンカバー制作など、女子が興味を持ちやすいものづくりについてお伺いしましたが、ワークショップはどのように行っていますか?
そうですね、だいたい月に1~2回くらい集まって話したり、ワークショップを開いたりしています。ものづくり系女子メンバーの中には、デザインが出来る人もいれば、興味はあるけど未経験の人、まだ仕事ではないけれど美大で工芸を学んでいる人などさまざまな人たちが集まります。なので、いつもその時集まった人たちのコラボレーションを大切にしています。
例えば、スマートフォンカバーはプロダクトデザイン女子×ファブリック(生地)女子のコラボレーションで、プラスチックに女子ならではの目線でファブリックの素材感をデザインに加えてみました。
最近は、電子工作に興味を持つ人も多いので、ロボットアームを作ったりしました。一見難しそうですが、実は小学生でも作れるようなキットを売っているんですよ。他にも、オルゴールを自作したり、その都度興味があるものを体当たりで作っています。ポイントは、初めてでも、ものづくり系女子のメンバーで集まれば誰かが教えてくれるので、必ず最後に完成させるところまで楽しめるんです。
話が前後しますが、大学は理工系ではなかったのに、製造業の会社に就職されたのは?
高校、大学までは文系だったんです。大学は日本女子大学の家政学部家政経済学科というところで、いわゆる市場や社会といった消費経済よりも家庭や個人、コミュニティを単位としたミクロな経済を学んでいました。同級生は銀行や商社に進む子が多かったのですが、私は就職活動をしたときに、改めて自分の興味のあることをやりたいなって思いました。製造業の企画や事務の仕事があると知って、就職活動で初めてものづくりのほうに引き寄せられた感じですね。
神田さんのDNAがものづくりを目覚めさせたのでしょうね。
入社後3か月間ずっと研修をする会社で、作業着を着て工場に行ったりとか自動車をまるごと1台解体したりとか、ものづくりに必要なことをイチから教えてくれました。その3か月の研修が終わったときに、配属でいきなり営業になれと言われて、セールスエンジニアになったんです。それは会社が、何かやらせてみようと思ったみたいなんですけど。
女性セールスエンジニアとして期待されていたようですね。3Dプリンタの開発に関わられたのですか?
3Dプリンタは、日本では基本的にヨーロッパやアメリカの特許を持つ会社の製品を輸入しているんです。なので国内で有名な家電メーカーがどこも作れるかというと、実はそうでもないんですね。入社した会社は輸入と販売の代理店としてお客さんにマシンを販売しながら、工場に3Dプリンタを何十台も所有して3Dプリンタを使うサービスを提供していました。
3Dプリンタはもともと、三次元CADの設計図をそのまま形にするという目的で作られました。例えば、家電の部品とか外側だとか、プラスチックや金属で出来ているものをいきなり何万個、何十万個って量産して失敗すると大変です。そのため、プロトタイプ、つまり試験用の製品を繰り返し試作するんです。設計図が機能を正しく満たすように設計されているか、実際に図面通りに作ってみるのを、人の手ではなく3Dプリンタで半自動化することで時間も早くなります。応用すると、その試作の時に部品の厚さを何ミリにしてみようとか、大きくしてみようとか、1個ずつ違うものを毎回つくることができるので、転じて、個人にカスタマイズされたものができるということになります。
3Dプリンタの本を出版されたそうですが、その経緯について教えてください。
3DPrinterBook_Knowledge-212x300.jpg2008年から3Dプリンタの仕事をする中で、誰も知らないし見たこともない、今ほどTV取材もなく、「3Dプリンタの仕事をやっています」と言うと「何それ」と聞かれ、連絡をもらうことが多くなりました。大袈裟じゃなく、2~300人くらいはお話しましたね。名刺交換したときにそのことを言うとずっとその話をしちゃうとか、「知人に話を聞かせてもらえませんか」と言われたりもしました。でも何百人かお話した後に、これ以上毎日、人に説明して行くのは無理だなと思って(笑)「本にして届ける」みたいな・・・口伝えだとどうしても尾ひれがついたりすることもあり、「自分の言葉で伝えるには本」かなと考えました。ちょうど『クラウドファンディング』サービスが日本でも活発になってきたので、「出版のための資金を寄付してくれたら、リターンで本を書いて届けます」と応募したら、100万円くらいお金が集まりました。それで3Dプリンタの本を自費出版というかたちで出しました。それが2013年の頭です。
今のアパレルの会社に入ってからですね。
photo1218-1a.jpgのサムネール画像2社目でも、やはり3Dプリンタに関わっていましたが、だんだんと、自分の中でもっとこうしたいという気持ちが芽生えてきました。「会社の中でビジネスとしてやること」と「もっと多くの人に伝えたいこと」があり、私の中では後者の気持ちが強くなってきました。自分の中で「3Dプリンタとどういう関係でいるのがいいのかな」と考えたときに、本をかくということは個人だからこそできることだったんです。「1個人の意見として自由に発信したい」という気持ちで、仕事じゃなく個人的に関わっていきたいと考えました。同時に仕事探しをする中で、私は人に伝える仕事がしたいと、改めて気付くことができました。テクノロジーを人に伝えるということと同じように、パッと見ではわからないけど、よく話を聞いてみるとわかるようなこと、発信したほうがより伝わるようなものの広報のお手伝いをしたいと思ったときに見つけたのが、アパレルの広報だったんです。ガーリーなテイストもあり、10人いたら1人が2人が好き、みたいなファッションなので、私にとっては3Dプリンタもファンタジーなお洋服も同じで、人にそういうきっかけを作りたいなと思って公私問わず、勝手に広報しているという感覚です。

第2回へ続く
ものづくり系女子のWebサイト
http://saorikanda.com/
神田さんがプレスとして勤務するセレクトショップLamp harajuku
http://lamp-harajuku.com/

Photo by 中村 美鶴






2014/01/30 09:09:30

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