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STEM CAFÉ

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STEMとは?
Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の
頭文字です。科学、技術、工学、数学の学びの世界を現役大学生、女性研究者たちに
お話しを伺い、STEM CAFÉでお伝えします。

ものづくり×女子 = ものづくり系女子-02

今回は慶應義塾大学SFC、企画運営に携わる『しぶや図工室』やものづくりの楽しさ、将来についてお話していただきました。

IMG_8250a.jpgお仕事のかたわら、通っている慶應義塾大学SFCでの研究についてお伺いします。
ものづくりの市民工房であるFabLabが日本にできるきっかけとなった慶應義塾大学のSFCの卒業生の人が、私がものづくり系女子をやっているのを見て「より体系化して、きちんと記録をしていったほうがいいのでは」とアドバイスしてくれました。それでどうすればいいのかと調べていたら、社会人や一般の人が審査を受けて研究に参加できる訪問研究員という制度があることがわかり、水野大二郎さんというファッションで有名な先生にお世話になることになりました。水野先生は、インクルーシブデザインというファッションとかプロダクトに限らず、人が生きていく上でどういうふうにものをデザインしていくかについて研究していらっしゃいます。ものづくりの仕事から始まって、今はファッションにも関わっている私にとっても興味深いテーマで、それらをどう融合させることができるのかを確かめるような感覚で通っています。今やっているのは洋裁のデジタル化について新しい作り方や売り方を研究しています。家庭用のミシンも進化していて、デジタルミシンというものがあるんですよ。Illustratorでデザインしたデータが刺繍できたりとか、まっすぐのステッチだけじゃなく、刺繍で文字を書いたりできるものです。
SFCでの研究が今のアパレルの広報にも役立つということですね。企画運営に携わっている『しぶや図工室』について教えてください。
今まではものづくりをするのに、場所がなくて自宅を開放したり(笑)「ノートを広げたりくらいはいいですよ」と言ってもらったカフェを利用していましたが、2013年の4月から『しぶや図工室』の運営に関わることになり、今はそちらを拠点にしています。3Dプリンタやレーザーカッターなど、デジタルなものづくりができる機械を揃えているので、実際に機械を見たり触ったりしながら、メンバーとワークショップを行っています。理科の授業でも、教科書を読むのと実験で体験するのとは全然違うでしょう。実験までしなくても、「この機械はこう使うんです」って、ものを見るだけでも全然違いますよね。
それと同じで、『ものづくり系女子』というのに惹かれて集まってきたけど、実際にどんな道具を使ったらいいのかもわからない、3Dプリンタってよくわからない、私はクラフト系でいいやと思っている子もいました。ここができたので遊びに来ませんかって誘うと、毎回10人くらい集まってくれ、皆興味持っていたのだとわかりました。実際に使っている人がいる場所があることがすごく大事です。それまではそこまでデジタルって感じじゃなかった子も、「それが見られるなら行きたい」と言って、来てくれます。今は専ら『しぶや図工室』で、3Dプリンタに限らずレーザーカッターとかカッティングマシーン、デジタルミシンといった機械を使って皆で活動しています。
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                                                                                     Photo by junya igarashi
楽しそうですね。
今は興味を持っている人が来ている状態で、私の周りのものづくり系女子たちが中心ですが、もっと多くの人が普通に遊びに来てほしいですね。
デジタル系に興味がある中高校生が来たら、進路選択にも役立ちそうですね。
そうですね。本当に、高校生向けのツアーも機会があったらやりたいですね。やっと3Dプリンタっていう、大人子ども問わず、皆が興味を持つようなテクノロジーというトピックが1つあるので、それがきっかけになればいいなと思いますね。
『しぶや図工室』で新しい機械に触れることで、ものづくりの楽しさが経験できますね。
そうですね。あとは、「こんなものもできるよ」という例として、私は今年結婚式をしますが、それに向けていろんなものを作っています。まずデザイナーさんと指輪を作ったんです。現在はドレスを作っていて。ドレスも、貸衣装が良い悪いとかじゃなくて、「ここがもうちょっとこうだといいのに」というのが、絶対あると思います。「それなら自分で晴れ着を作ろう」と。やはり自分の身体に合っているというだけでも、衣服は大きく変わりますですから。気に入った柄をレースにしてみたり、色のついたものを使うなど自由にやってみようと思っています。その気になれば、3Dスキャナで自分の足の形をとれば、ガラスは難しいですけど、シンデレラの靴みたいな自分の足に合った靴を作ることもできるんですよ。
素敵ですね。あるものをそのままではなく、自分に合うようにカスタマイズしていくのは。
それはやっぱり想像力とか、イラストとか言葉も必要ですけど、ものを作るのにはやっぱりテクノロジーを知っていることがすごく大事になってきます。エキスパートになることも必要ですが、今の時代は必ずしもそうでなくてもいいのです。今はiPhoneやパソコンに色々なアプリとして写真や映像、音楽、グラフィックデザインの機能が詰まっていますが、昔は全て別々のマシンとして、カメラ、ハンディカムを一つ一つ揃える必要がありました。専用のマシンを買わなくても、身近な端末の搭載機能として皆に平等に行き渡ると、映像の勉強をしてなくても日常的にムービーも撮れるし、iPhoneひとつで色々な創作活動ができることを、みんなが知っています。同じようにiPhoneみたいな「スーパーものづくりマシンみたいなものが、家にきたら何つくる?」っていう想像をしていいと思います。5年10年したら、今は想像もつかないようなものが当たり前のように使われていたり、職業についても、親の世代の職業の半分はなくなって、その次の世代には半分は新しい職業が生まれてくると言われますが、自分がやりたいことや興味があることを大事にしていれば、今はその職業がなかったとしても、もしかしたらそれを職業にできるかもしれません。
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今具現化されていないものも自分の手で具現化するチャンスはまだまだありますね。今後の夢や将来についてお伺いします。
私のポリシーの1つは「1年後は想像もつかないようなことをしていたい」で、そう考え始めたのが、大学を卒業して最初の会社に入った頃です。1年前には女子大を卒業してどういうOLになっているのかなと思っていただけなのに、『3Dプリンタ』に関わることが、自分の中で大きな転換点になっていました。3Dプリンタがきっかけで、大学で授業をすることになったり、講演や連載することになったり、3Dプリンタのお姉さんとして『天才テレビくん』に出させてもらうとか、自分の想像の範囲内だったら、多分こんなふうにはなってなかっただろうと思います。その時々で、「想像を超えて挑戦を続けるとこういうふうになるんだ」っていうのがすごく面白いんです。
だから最近は、無謀なようですが、「1番振れ幅の大きい挑戦をすること」にしています。そうしたら、真っ直ぐ行くかなと思っていたのが常に斜め斜めに行って、すごく遠くに行くのかなって。だから将来的に何をしたいかというのは、まったく想像がつかないんです。「想像の幅」をとにかく広げておけるように、自分の中で「来年はこんな感じかな」ってならないようにやり続けようと思っています。
「想像の幅」を広げ、常に新しいものへチャレンジしていくのですね。最後に、女子中高生の皆さんにメッセージをお願いします。
勉強したり部活したり、恋愛もありますけど、いい意味で自分の身の回りの世界でやりたいことを探している時期だと思うんですね。やはりちょっと世界が狭いかもしれないけど、でもそういうときにこそ、自分のことを見つめるいい機会だと思います。大学に入ったら人間関係も大きく変わったり、就職すると、会社単位のビジネスという大きなものを相手にすることになるので、なかなか自分の気持ちひとつですぐに決めたり変えたりすることは、できなくなるかもしれません。でも中学生高校生のうちは、自分の興味のあることを勉強する自由もあるし、勉強だけじゃなくて知りたいことを実際にやってみるチャンスがたくさんあります。何をしたいかって興味を持ったら、「すぐに調べて、実際に行ってみる」。夏休みに行こうとかとっておくのではなく、「今すぐにやること」をやってみると、どんどん次はこうしたいっていうのが出てくるので、「楽しみはとっておかないで、すぐにやってほしい」と思います。そうしたら、自分が思っているよりもどんどん新しい世界が広がっていきますよ。

★ありがとうございました!

神田さんがものづくりの先輩として運営に関わっている『しぶや図工室』
http://shibuya.abbalab.com/

Photo by 中村 美鶴




2014/02/05 11:11:06

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