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日本IBM/WEBサービスをもっと安全に!
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インターネットサービスの安全性を高める研究を行っています。
物理学の研究をすることで、逆に自分の興味が明確になった。
東京工業大学を受験するにあたって、資料を調べてみると、在籍している女子が1名! という学科もあって、「入学したらどうなるんだろ」などと思ったりもしましたが、研究に関しては男性も女性も関係なかったですね。理学部では原子核物理を専攻し、修士課程まで学びました。物体の中の原子核には陽子や電子の他にもっとたくさんの小さな粒子が存在するのですが、その粒子の振る舞いを調べる研究を、世界中の様々な研究所が集まって世界規模で行っているのですが、東京工業大学で私もそのひとつに加わることができました。
実験装置は何十kmにもおよぶ巨大な加速器。私の関わったプロジェクトはドイツにある実験装置を使っていたので、何か月もドイツに行っている人もいました。私の役目は実験で得られたデータをコンピュータで解析すること。現場には行くチャンスがなかったというか、行く勇気がなかったというのが本音ですね。少し消極的だったかもしれません。むしろ、物理の研究だと社会的な影響が少ない、それよりも自分が研究したことがすぐに社会の変化となって見えるものに携わりたいなと思い始めたのが正直なところですね。
何かかたちに残る仕事をしたい。原子核研究からコンピュータ科学の道へ
私は研究室に入ってから触れるようになったコンピュータの方に興味を持つようになっていました。原子の研究で私がやっていることは、ごくごく末端の作業でしたが、コンピュータだと自分のプログラミング次第で何でもできるし、可能性が広がる。大きな魅力を感じました。コンピュータの研究の現場が、どんなものか知らないというこわいもの知らずなところもあったのかもしれませんが。
何か新しい技術や新しいものをつくってかたちを残したいと、コンピュータ系企業の研究職に絞って就職活動を行いました。しかし、物理学を専門としていた私としては、先に製品ありきの開発というよりも、もっと基礎的な部分の研究に携わりたいと考え、より研究に重きを置いている部署のある日本IBMに就職したのです。
今、私が取り組んでいるのはwebサービス。インターネットでは直接お店へ行かなくても、欲しい物を買ったり、チケットを予約・購入したりできる便利なサービスがたくさんありますが、そのインターネット上の各種サービスの後ろでは、たくさんのコンピュータが相互に接続・連携し、複雑なシステムが動いています。それらををうまく繋げる技術が必要とされていて、私は主にセキュリティ分野を担当し、コンピュータが安全に動くための技術を研究しているのです。例えば、ウィルスをはじめとしたコンピュータへの脅威が新たに発生すると、システムに侵入されないためにセキュリティポリシーを変えなければならないのですが、それをどう変えたらよいか等を日々研究しています。一般の人の目にはなかなか見えないシステムですが、サービスが安全に提供されるためには不可欠なシステムですので、思ったよりも社会に重要な影響力を持つ仕事だと自負しています。なかなか今はまだ使われていない未来の技術を考えるわけですから、途中でめげそうになるときもありますが、「自分でないとできない仕事がしたい」というこだわりと、新しいものをかたちにして、なんとか研究を社会に還元したいですね。
裁量労働制で、時間や場所に縛られずに研究。出産後、半年間の休職後に復職。
今、マネージャー1人とメンバー2名のチームで仕事にあたっていますが、日々の仕事はほぼ私の裁量に任されています。年初に今年は論文を何本書き、特許を何本つくる、といった目標をマネージャーに上げ、それにもとづいて自分でスケジューリングして、今月は論文を書こうとか、来月はプログラミングをやろうとか決めて作業します。海外の研究所のメンバーとも連携して仕事をしているので、国際電話でのミーティングや、Webミーテーィングなども日常的に行っています。
その他にも大学院の博士課程に通って博士号取得に向けてがんばっています。コンピュータサイエンスを研究するものとして、博士号を持っていないのはちょっと淋しい。それと、物理から工学系に転向している私には、工学系のベースが不足してると感じていて、それを補うためにも大学院に通っています。
研究所は最終的に結果が出れば良いというスタンス。会社で仕事をする必要はなく、自宅で仕事をすることも可能です。私も週に一度の頻度で会社に行かず自宅で仕事をしていますね。妊娠中は、よく自宅で仕事をしていました。国内の会議も電話で参加することが可能ですし、海外との電話会議も自宅でできますから。
私は入社2年目で結婚し、その後長女を出産した際には半年間の休職を取って、復職しました。時間や場所の自由度が高い勤務システムは、仕事と子育ての両立という点ではとてもありがたいですね。実は今も二人目を出産をして休職中です。あまり長く会社に行かないと、少し焦る気持ちも起きますが、そこはわりきって子育てを楽しませてもらおうと思っています。
女性支援制度は進んでいる日本企業。周囲の理解がこれからのキーワード?
女性が働くという観点では日本IBMは恵まれていると思います。育児休職も最大で2年間まで取れるというように制度も充実しています。何よりも大きいのは周囲の理解。制度だけあっても上司や同僚の理解がないと、なかなか使いづらいものですから。米国などは女性を支援する制度はそれほど多くないようですね。それよりもコミュニティや民間の援助が充実していて、生まれたらすぐに地域の託児所に預けられたり、相互に助け合いながらという文化に頼るところが大きいようです。今や男性しかできない職業というものは無いといっても過言ではないです。男性の方が向いている、なんて先入観も持たなくていいと思います。そもそも理系・文系というカテゴリー分けもこれからは無用なのかもしれない。私だってその場その場の興味や、やっていて気持ちの良いことを選んでここまで来ましたから。ひょっとしたら、将来はマーケティングの道に進むかもわかりませんし。とにかく何かの枠に自分を閉じ込めず、自由に進んでください。今、好きだという気持ちはとても大切なことだと思いますから。
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日本IBM
東京基礎研究所研究員
佐藤 史子 さん
東京工業大学理学部物理学科卒、同大学院修士課程で原子核物理を学び、日本IBMに入社。コンピュータを使う側からつくる側へと転身し、Webサービス・セキュリティの研究を行っている。

週に1~2日は自宅でe-ワーク。
会社のネットワークに接続し、作業や論文執筆を行う。
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