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特集(PC用)

世界の常識を変えるかもしれない1μm平方の半導体素子に夢中です!

未来の社会を変えるような 技術を勉強したい!

C.Yさん

 自作した望遠鏡で天体を観測するのが趣味という父の影響を受け、子どものころから理系好き。未来を変えてしまうような技術を勉強したいと思い、電気系工学の道を選びました。
 現在はPC、携帯電話、デジタル家電製品などに欠かせない半導体やトランジスタについて研究しています。40 年以上に渡り、トランジスタはどんどん小型化し、その性能を向上させてきました。ところが近年になって小型化にも理論的限界が見え、実際に問題が起きはじめるように。そこで私が所属する研究室では、長年使われてきたシリコンから新しい素材に置き換えてみたり、電気ではなく光を使って情報を伝達したりするなど、新しい構造のトランジスタ開発をめざしています。

最先端の設備が整った クリーンルームで実験

クリーンルームは常時マスク着用。
持ちのいいリップクリームが重宝します。

 研究室で私が担当するのは、インジウム、ガリウム、ヒ素などの化合物を使った半導体。トランジスタの構造を考え、自分で設計・加工し、クリーンルームで実験を繰り返して結果を評価するまでの一連の流れをひと通り経験することができます。
 実験では朝から晩まで立ちっぱなしで作業することが多く、体力も必要です。実験結果は装置の調子や温湿度環境、実験方法、そして実験者の技量などに左右され、授業で習った通りの結果にはなかなかなりません。そんなときは迷わず先生や先輩に相談し、アドバイスをもらうようにしています。思い通りにならないことも多いですが、1μm 平方の小さな半導体素子に向かって作業する時間は集中力が増し、夢中になってしまいます。
 将来の目標は研究開発職。私の研究分野は応用範囲が広いので、メーカーから金融機関まで、幅広い選択肢の中から進むべき道を見つけたいと考えています。

わたしのキャンパス自慢

本郷キャンパスでは5月に大規模な学園祭が開かれます。
広いキャンパスにたくさんの出店が並び、来場者も多くてとてもにぎやか。
研究室が研究テーマを発表することもでき、毎年楽しみにしています。

理工ガールが活躍する研究室  東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻 高木・竹中研究室

高木 信一
東京大学大学院工学系研究科
電気系工学専攻 教授

1987年東京大学大学院工学系研究科電子工学博士課程修了(工学博士)。株式会社東芝入社。1993 年-1995年米国スタンフォード大学滞在研究員。2003年東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻教授。2007年同大学院工学系研究科電気系工学専攻教授。

 高木・竹中研究室は工学系研究科・電気電子工学コースのナノ物理・デバイス分野にあり、主に半導体デバイス工学を研究しています。
 私たちの生活にごく当たり前に存在する電子・情報機器。その半導体集積回路に搭載されるトランジスタは、機器の心臓部に当たるデバイスです。これまで技術者はトランジスタの小型化を進めることで、電子・情報機器を発展させてきました。
 ところがトランジスタの開発から数十年を経た現在、小型化だけではトランジスタの性能を向上させることが難しくなり、世界的に新材料や新技術の研究開発競争が起きています。当研究室でも国の研究機関や企業と協力し、次世代トランジスタの研究・開発に取り組んでいます。
 私たちの研究の特長は、非常に製品に近く、身近なところですぐに役立つ部分と、基礎研究の両方を兼ね備えていること。さらに世界共通の課題に挑戦しているため、研究成果がグローバルに評価される点も魅力でしょう。
 また、私自身も教育者として、学生一人ひとりに電気電子分野の基礎をきっちり身につけてもらい、実社会へ送り出すことを日々心がけています。電気電子分野に限らず、工学系は常にグローバル競争に晒されますが、大学で基礎をきちんと身につけておけば、どんな分野に進んでも活躍できるはず。もちろん大学のプログラムも、学生の将来のキャリアパスが広がるように組まれています。
 さらに当研究室で推奨するのが、学生の学会発表です。国際会議に出席し、英語での発表やディスカッションを経験すると、学生のコミュニケーション力・プレゼンテーション力・英語力が飛躍的に進歩します。しかも世界中の研究者から評価やフィードバックを受けるため、学生の自信やモチベーションが大いに上がり、実力向上につながります。この貴重な場を一人でも多くの学生に経験してもらうため、私たち教員も全力でサポートしています。
 今、電気電子分野に興味をお持ちの高校生の皆さんは、ぜひご自身の興味・関心がある分野を自由に選択してください。国にも大学にも企業にも、女性研究者を後押しする空気が広がっています。研究職をめざす女性にはチャンスが多い時代。またとないこの機会をぜひ活用してください。


半導体素子作製条件を装置に設定中。ここが考えどころ、結果が楽しみです。


研究室メンバー30 名の大所帯。女子はY さん、博士学生、秘書の3 名です。

体系的な学術基盤の下で、最先端のテクノロジーに挑戦

クリーンルームには先端的半導体作製装置を多数設置。学生のアイデアで新しい素子が日々生まれています。

電気系2 学科(電気電子工学科、電子情報工学科)は、そのルーツが本学の創設時から始まっており、長い伝統と歴史がある一方、教育・研究内容は、常に時代を先取りした新分野に発展しています。この点からもわかるように、学科の特長は、電気・電子・情報工学の基礎を分野横断して広くしっかり学べることと、世界最先端の研究に、具体的成果が目に見える形で、すぐに飛び込めることです。
 教員の多くは、日本に留まらず世界中の大学や研究所、企業との共同研究を行っており、グローバルな最先端研究の息吹、最新の開発動向などを間近で感じ取ることができます。
 共同利用クリーンルームなどの設備も整っており、学生の皆さん自身の手で実現したブレークスルーが世の中を変えていくことも夢ではありません。

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