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今、「女性にやさしい会社」

今や女性活用は、企業にとってあたり前の経営戦略。企業は競って女性に対する支援制度の拡充を行っています。2008年5月に日経ウーマン誌から発表された「女性にやさしい企業ベスト100」をもとに、制度導入のトレンド、新しい取り組みを日本女性技術者フォーラムに聞いてみました。

女性支援の主流は3つ

1. e-ワーク

個々の社員がそれぞれの事情により、自宅で勤務を行うことができる制度。2000年頃に先駆的メーカーの、育児をする女性社員の声によって始まったこの制度は、現在では育児などの事由を問わず利用でき、女性社員のみならず男性社員の利用も大変多くなっているようです。例えば午後に社外で打ち合わせの予定がある日には、午前はe-ワークにして、午後はそのまま自宅から打ち合わせ先に直行するなど、通勤時間などの無駄を省き、場所にとらわれないワークライフ・バランスのとれた効率的な働き方を実現するものとして、大手企業を中心に定着しつつあります。e-ワークでは、自宅からは高度のセキュリティを保持しながら会社のネットワーク環境に接続し、オフィスにいるのとまったく同じ環境で仕事ができるようになっています。

例1→午後のお客様との打ち合わせに備え、プレゼンテーション資料の最終チェックを自宅で行う。午後、最寄り駅でチームメンバーと合流し、そのままお客様先へ。
例2→毎週火曜をe-ワークの日と決め、朝は時差のある米国本社スタッフとの電話会議とメールチェック。午後は資料作成と部門定例ミーティングにWebを利用して参加。

2. 短時間勤務制度

結婚や出産、あるいは介護など、ライフステージの変化によって仕事と生活の配分はその時々で微妙に変わってきます。フルに働きたくても働けないとき、かつては一度退職して時期を見て仕事を探していた方が多かったようです。しかし、せっかく培ってきたキャリアや社内外の人脈が途切れるのは非常にもったいないというのが昨今の考え方。そこでキャリアが途切れないように、通常の60%~80%といったウエイトで勤務できる制度を持つ企業が増えています。そして、フルに働けるようになったときに再び100%勤務に復帰し、キャリアを高めることができることができます。

例1→夫婦共働きで2歳の子どもは日中は保育所。朝30分、夕方約1時間の時間短縮ができる短時間勤務制度を利用して、楽に送り迎えが可能。来年からは両親のサポートが得られるのでフル勤務に復帰の予定。
例2→毎週火曜と木曜は親の介護の日と決め、週3日の短時間勤務を使い、一緒に親のリハビリを。最近、少し調子が良さそうでうれしい。

3. 育児介護支援

「時間」に対する支援制度に対して、そのほか、金銭的、精神的に女性社員をサポートする制度を持つ企業が増えています。たとえば満3歳になるまでの育児休職や介護休職、看護休職など、仕事と家庭生活を両立するためのさまざまな制度を設けています。さらに、社員の経験者や社外の専門家から、両立の実例やノウハウについて学ぶ各種ワークライフ・セミナーも実施されています。

企業の育児介護の支援プログラム例

  • ファミリーケア・ネットワーク
  • ホームヘルパー制度
  • ベビーシッター割引券
  • 社内託児施設、保育園契約
  • キッズサマースクール(学童保育の延長)
  • チャイルド・ケア・セミナー、エルダー・ケア・セミナー
  • 介護相談窓口の設置
  • イントラネット上での育児・介護情報の提供

女性の活用が命運を決める

「女性が働きやすい会社ベスト100」のトップ10のうち、6社がメーカーという結果からもわかるように、メーカーの女性支援・活用はとくに進んでいます。というのも、少子高齢化社会を迎え、すでに研究・開発現場は慢性的な人手不足におちいっているからです。さらに優秀な人材を採用、確保するのは非常に難しく、今やメーカーにとって女性の採用・活用は企業の命運を決めるといっても過言ではないでしょう。
そんな中、女性が選ぶ企業はやはりワーク・ライフバランス度の高い企業。職場では責任を果たしながら、家庭や地域とのかかわりも持ちたい、といった考えを支えられる企業が、女性にとって働きやすい企業と映るようです。そしてこのようなワークライフバランス情報への関心も高く、何度となく不評が流れると、たちまちその企業は女性から選ばれなくなってしまうということも企業はわかっています。
最近では一度退職した方の再雇用制度が整ってきたようです。かつては出産や育児によって退職せざるを得なかった女性を再び雇用し、人材を確保する。新卒採用のミスマッチのリスクも軽減できますし、もっと増えるでしょうね。ただし、研究者や技術者にとって技術や人脈の継続を考えると一度キャリアを止めてしまうと、回復するのはなかなか難しい。今はそれほど技術進歩のスピードが早く、かつてドッグイヤーといわれていたのが今やマウスイヤーと呼ばれるほどなのです。ですから退職せずに短時間労働制度や配偶者も育児休暇を取得し、できるだけキャリアを止めないように働くことが今の研究者・技術者のトレンドとなりつつあります。

継続しやすい理工系の仕事

そして、今、企業の取り組みは単なる「女性活用」というものから、「ダイバーシティ(多様性)」へと進化しています。とくに外資や大手企業では顕著で、性別・年齢・国籍・人種と様々な違いを認め、多様性を生かすことで、細分化するニーズと変化の激しい市場に対応しようという考え方です。これを表すかのように各社の「女性躍進本部」といった女性活用組織の名称が、「多様性推進本部」「ダイバーシティ・プログラム」と変更されています。「あらゆる人材の存在を認め、能力を最大限に生かす」、女性活用を進めてきた結果、企業が大きく変わろうとしています。そんな中、理工系の仕事はライフワークとして続けやすいのが大きな魅力です。研究や技術職は仕事の内容を少し変えることで、継続することはそれほど難しくないんです。長い目で見ると理工系に進まれることをおすすめします。

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技術者、研究者、医師…理系女性の仕事と生活がいっぱい。ロールモデルが見つかります。
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日本女性技術者フォーラム(JWEF)
1992年、女性技術者相互の交流と情報交換によりその能力を発揮することのできる場を創生し、女性技術者の社会的貢献を高める目的で設立。分野を超えた女性技術者相互の交流や、女性技術者の増強を図るため、女子学生(中高大学生)へのキャリア情報提供やロールモデルの提示などを行っている。http://homepage3.nifty.com/jwef/



女性が働きやすい会社ベスト10

1位 P&G

社員の約6割を女性が占めることもあり、2007年には社内常駐看護師による「『仕事と子育て』カウンセリング」を導入。また各社員につき複数のメンター(相談役)がいて、コミュニケーションによる問題解決を目指している。

2位 日本IBM

IT企業としてe-ワークに率先して取り組み、育児や介護と仕事の両立を進めている。管理職に占める女性の割合が10年間で6倍に。

3位 松下電器産業

「e-Work推進室」を設置して、全社でITを使ったフレキシブルな働き方の環境構築に取り組む。2001年には、「多様性推進本部」となった。「女性かがやき本部」を設置した。

4位 オリックス

男女雇用機会均等法の施行前1982年から男性とほぼ同数の大卒女性の総合職を採用。産休前&育児休暇中の社員向け懇親会「ORIX GroupMom」を開催。

5位 ソニー

女性の平均勤続年数は16年7か月と男性より長い。2005年社長直轄のダイバーシティプロジェクトが発足し、女性活性化に光を当てている。

6位 富士通

女性社員の5割強が既婚で、中でも4割が子どもを持つ。1990年代から導入するなどe-ワークの歴史は長い。

7位 大和証券グループ本社

8位 髙島屋

9位 ジョンソン&ジョンソン

10位 住友生命保険

*『日経ウーマン』2008年5月号 P112〜P113、P121から転載

1988年調べでは…

  • 1位 エイボン・プロダクツ
  • 2位 西友
  • 3位 髙島屋
  • 4位 日本航空
  • 5位 小田急百貨店
  • 5位 京王百貨店
  • 5位 ソニー
  • 5位 松坂屋
  • 9位 日本電信電話
  • 9位 ニチイ
  • 9位 大丸

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