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奨学金・学費免除をフルに活用しよう

理工系に進学するときの悩みのひとつに、学費の問題があるかと思います。理工系学部は施設費や実習費負担があるため、文系学部に比べて決して安くありません。しかし、恐れなくても大丈夫です。最近では様々な授業料免除の特待制度や奨学金、国や自治体の緊急支援対策が用意されています。ぜひこのページを読んでから進路について考えてみましょう。

受験割引制度をはじめとした節約プラン

私立大学理系の受験料は平均3万5000円。受験料が安いというイメージのある国立大でもセンター試験と2次試験費用を合わせると同額の3万5000円になります。これを複数校受験すると、意外に大きな負担となります。 そうした経済的負担を少しでも軽くしようと私立大学の多くが受験料の割引制度を設けています。これは同一大学で、複数回の受験をしたり、一般入試とセンター入試利用入試の併願をすると、受験料を割り引く制度です。中にはオープンキャンパスに参加していると、受験料が割引になる大学もあります。

受験料

【センター試験】 3教科以上…1万8000円
2教科以下…1万2000円
成績の開示は別途800円
【私立大一般試験】 一般的な学部…3万円~3万5000円
医・歯学部 ……4~6万円
【私立大学センター試験利用】 センター試験受験料に加えて、受験する大学の受験料が必要。
1万4000円~2万円が相場。

※一般入試と組み合わせることで受験料が割引される大学もあります。


学費不要の「授業料免除」

文部科学省によると、国立大学における2005年度前期の免除申請者は全学生数の1割弱の5万2333人にのぼり、そのうち87%が許可されたといいいます。各大学で免除の基準はさまざまですが、国立大学の場合は全学生の6~7%は何らかの免除が受けられると考えてもいいでしょう。

気になる基準要件ですが詳細な選考基準を明示している一部大学を除いて、ほとんどの大学が「経済的な理由によって授業料の納入が困難で、かつ学業優秀と認められる学生」としています。ある大学の基準を例に取ると、「出身高校の成績評定平均値が3.5以上または入試成績が合格者の2分の1以内の者」とされている。これは仮に高校の成績がふるわなくても、入試で2分の1以上に入れば基準に到達できるのであきらめずにがんばりましょう。

こういった「授業料減免」は大学への納付金を削減できる大きなチャンス。国公私立問わず、各大学のデータページに記載がなくても、学生課などに相談してみましょう。少なくとも検討してくれたり、相談に乗ってくれます。

最近の「授業料減免」は、経済的困窮者に対するものよりも、学業成績の方にウエイトを置く傾向にあります。だからこそまじめに勉強を続け、良い成績をとることが大切でしょう。

スポーツだけではない特待生制度とスカラシップ入試

特待生入試は芸術、一芸…と多岐にわたる

学力や芸術、スポーツなどに突出した能力を持つ受験生を経済的に支援する入試制度が「特待生入試制度」です。センター試験利用入試、一般入試、推薦入試などを受験する際に、特待生の希望を出すと、成績上位者から順に特待生が選ばれます。最近では、大学が力を入れている分野に対しての様々な特待生制度が設けられていますので、気になる大学のホームページなどで、自分の能力と照らし合わせてみるといいでしょう。

支援の内容は一定の奨学金を支給するものから、授業料の免除まで、大学によってさまざまですが、合格後は必ず入学することが条件の場合が多いので注意が必要です。

学業優秀者には入学金・授業料免除

最近では学業優秀な学生の確保のため、多くの大学が奨学金制度を設けていて、俗にスカラシップ制度と呼ばれたりしています。こちらも合格すると、入学金や授業料などが免除されます。推薦入試や一般入試で成績上位者が認定されるものと、希望者を募り個別に試験を行い、選抜するものがあります。ある大学では学費免除の特待生枠を入学者の3分の1に適用するところもあり、受験前にはぜひ調べておきたいところです。また、特待生入試と異なるのは、合格後に必ずしも入学しなくてもよいので、利用しやすい制度といえます。

ただし、多くの大学で入学後の成績の基準を設けており、ある一定の成績を修め続けなければ継続できませんので、そこだけは注意しましょう。

入学後の奨学金をにらんで大学選択

入学後の学業成績によって奨学金を給付する大学も多く、高校での成績は特別によくはないが、経済的な不安が強い人が、こうした大学を優先的に選ぶという考え方も最近は強くなってきています。例えば国立の一橋大学では、2007年度から成績優秀者に年間96万円を給付(返還不要)する奨学金制度を実施しています。入試段階ではなく、その後のがんばりで誰でも対象者となりえるわけで今後こういった奨学金も増えてくるでしょう。

ハードルの低い奨学金

「無利子奨学金」の貸与枠を倍増させた日本学生支援機構

一般の奨学金制度は、家庭の経済的事情で、子どもが進学、修学に支障をきたすことがないように支援する制度です。奨学金には返済義務のない「給与奨学金」と、卒業後に返済義務が生じる「貸与奨学金」があります。

最も利用する学生の多いのは、日本学生支援機構の奨学金で、利息のかからない第一種奨学金と、卒業後に年利3%を上限とする利息がつく第二種奨学金があります(下表)。第一種奨学金は高校の成績優秀者という条件が課せられますが、第二種奨学金は第一種奨学金より審査基準が低く設定されています。同機構では2009年度、親の所得減などで家計が急変した学生への無利子奨学金の貸与枠を倍増の8,000人分に拡大し、過去に借りた奨学金が返せなくなった人への返済期限猶予や、海外留学する人への有利子奨学金の枠の拡大も検討されています。

日本学生支援機構の「予約採用」の申し込みは高3の春

申し込み方法は、高校在学中に申し込む「予約採用」と、大学に入学してから申し込む「在学採用」があります。予約採用は、在学採用と比べて奨学金が早く受給でき、申し込みは在学する高校を通して行われます。その際は進学先が確定していなくても申請できます。

ここで注意しておきたいのが、予約採用の事務手続きを行うのは高校3年生の春だということ。この機会を逃すと、大学に入学してからの在学採用を申請するしかありませんので注意しておきましょう。

交通遺児だけでなく教育費不足でも受けられる「あしなが育英会」

あしなが育英会は、交通遺児救済運動からスタートした民間非営利団体。その一環として、無利子貸与の入学一時金と奨学制度があります。日本学生支援機構のような学力要件はないが、大学では書類審査と筆記・面接試験があります。

あしなが育英会の「予約採用」の申し込みは高3の6月

この奨学金も「予約」と「在学」の2種類があり、予約の方が募集人数が多く、大学では入学前年の6月末が出願期限となるので、ホームページなどで事前にチェックしたい。

【大学奨学金】(月額)
一般4万円、特別5万円。予約で350人。予約で採用された場合は私立大学入学一時金40万円(30人)の貸与も受けられる。返済は貸与終了から6カ月後から20年以内。

日本学生支援機構奨学金の貸与金額(2009年)

貸与額 区分 金額
第一種奨学金 国公立大・短大・専門学校 自宅通学者3万円 または 4万5000円
自宅外通学者3万円 または 5万1000円
私立大学 自宅通学者3万円 または 5万4000円
自宅外通学者3万円 または 6万4000円
私立短大・専門学校 自宅通学者3万円 または 5万3000円
自宅外通学者3万円 または 6万円
第二種奨学金 3万円、5万円、8万円、10万円、12万円から選べる。12万円を選んだ場合のみ、私立大学の医・歯学部課程で4万円の増額、薬、獣医学部に限り2万円の増額が可能
学力基準 金額
第一種奨学金 予約採用の場合は1・2年次在学採用の場合は高校2・3年次の成績が3.5以上
第二種奨学金 (1)高校などの成績が水準以上
(2)特定の分野において特に優れた資質能力があると認められるもの
(3)学習に意欲があり学業を確実に修了できる見込みがあると認められるもの


返還不要が多い海外留学奨学金

将来的に留学を目指す場合が多い理工系学生。留学時にも学費免除や奨学金を利用できることを知っておきたい。留学奨学金は、日本学生支援機構、地方自治体、民間団体、それに各大学独自のものがあり、政府奨学金も加わる。地方自治体や民間団体の場合は返還不要の給付がほとんど。定員は少ないが、採用されれば、毎月の支給に加えて、学生寮が無料で提供され、学費も免除。さらに渡航費まで支給されるケースもあります。

日本政府の奨学金

日本政府(文部省)でも、大学院留学を対象として「長期海外留学支援」を実施している。募集人員も60人と多いが、世界各地への留学希望者が集まるため、狭き門であることは間違いありません。しかし、支給期間は修士課程で2年以内、博士課程後期では原則3年以内。授業料、奨学金、航空費が給付されます。

日本学生支援機構

月額8万円を給付してくれる「短期留学推進制度奨学金」があります。返還不要だが、定員は毎年700人前後と多いが毎年異なります。学生本人が直接応募することはできず、各大学が推薦した候補者を同機構が審査・決定します。問い合わせは各大学の国際交流関連窓口となります。

また、単純な奨学金としては海外留学の場合は無利子の第2種のみ。成績要件は設定されておらず、誰でも応募できる「現実的」な奨学金制度といっていいでしょう。

地方自治体、外国政府、民間団体

これは日本学生支援機構留学情報センターが非売品として発行している「海外留学奨学金パンフレット」に最も詳しく書かれています。請求すればすぐに入手できるので参考にしましょう。定員は若干名から多くても20人程度で、選考はかなり厳しいと覚悟しておきましょう。

一般ローンより利子が低い教育ローン

首都圏の私立大学新入生の保護者は、5人に1人が何らかの教育ローンから借り入れをしていることをご存知でしょうか(東京私大教連2008年調べ)。中でも日本政策金融公庫の国民生活事業による「国の教育ローン」は、家計支持者(保護者など)に安定的収入がなくても可能です。また、一般の教育ローンよりも金利が低く設定されていたり、進学先が決定する前の申請も可能であることから、人気が高いようです。

  1. 対象の条件としては、教育ローンが利用できる世帯の年間収入の上限額は子どもの人数によって異なり、1人の場合は790万円(事業所得者の場合は590万円)、2人の場合は890万円(事業所得者の場合は680万円)と子どもが増えていくごとに上限も上がっていきます。
  2. 融資額は子ども1人につき200万円までです。

ほかにも銀行や信用金庫が行っている教育ローンや私立大学が金融機関と連携し、大学が保証人となって融資を受けられる制度などもあります。

「在学時は利子だけを払う」奨学融資制度(利子給付奨学金制度付き学費ローン)

慶應義塾大学が実施して以来、認知され始めた制度です。在学生および入学予定者を対象としており、大学が提携する金融機関が学生に対して一般の教育ローンより低金利で学費を直接貸し出します。在学生であれば誰でも申請が可能です。なお、在学期間中は元本の返済は据え置かれ、利息のみを金融機関に対して支払うシステムです。在学期間中に支払った利息については、奨学規定により大学から奨学金として給付されます。これらを参考にして、奨学金とローンを組み合わせた新しいサービスを採用する大学も増えていますので、早めにチェックしておきましょう。

不況において

学生を支える緊急支援対策とは

景気の低迷で保護者が失職し、進学が困難な学生を対象とした緊急の支援対策を各大学、地方自治体が次々と打ち出しています。学力にかかわらず、受験料や入学金、授業料の割引、入学金納付期限の延長と、その内容はさまざまですが、どの大学でも規模的には小さくとも何らかの対策を行っていますので、あきらめずに相談してみましょう。

※地方自治体が実施しているものは、保護者や本人が実施地域に在住していることが条件となります。

これからは奨学金も大学選びの重要な選択肢に

実力主義社会が広がる今、使える制度は使ってやるという積極的な姿勢が不可欠です。その意味では奨学金制度を選択基準とした大学選びもこれからはありえるはずです。また、経済的に自分には無理だと思っていた海外留学も、決して夢物語ではありません。まず本人が意欲を持つことが大切です。賢く、たくましく人生を切り拓いていきましょう。

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