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編集部が直撃取材!研究室ってどんなところ?

理工系学部の学びの醍醐味といえるのが、学部4年次(大学によっては3年次)からスタートする研究室活動です。研究室とは、どのような学びの場なのでしょうか?福井工業大学に通う先輩に所属研究室を紹介してもらいました。

過疎化が進む地域に若い力を効果的に取り入れる方法を模索しています!

環境情報学部 環境・食品科学科 3年
M.Iさん
(福井県立羽水高等学校出身)

本格的な農作業を経験
新鮮な驚きの連続です

 所属する辰巳佳次先生の研究室で、「鯖江市河和田地区の地域団体・住民との協働による地域活性化」のプロジェクトに参加しています。これまで、サトイモの種芋植えなどの農作業を体験しながら、過疎化が進む地域に若い力を効果的に取り入れる方法を模索しています。これまで、父の実家で遊び程度に田植えの手伝いをしたことはありますが、本格的な農作業を経験したのは初めてで、何をするにも新鮮な驚きがあって、楽しいです。
 もともと生物学に興味があって、特に解剖系の実験が大好きでした。そこで、実験やフィールドワークをたくさん経験できる学科を探していたところ、高校の担任の先生にすすめられたのが、福井工業大学環境情報学部の環境・食品科学科でした。工業大学だということで、男子学生ばっかりなんだろうなと思っていましたが、入学してみると女子学生も意外と多く、女子の先輩たちも話しかけてくれるので、すぐに仲よくなることができました。

予習〜実験~レポートの
サイクルを繰り返す日々

 1・2年次は、生物学、化学、物理学の基礎を学びながら、毎週実験を行います。ここで実験機器の操作やレポートの書き方を覚え、3年次から研究室に所属します。実験やフィールドワーク主体の研究室の学びは、教科書の知識を覚えるだけでなく、自分の目で見て、手を動かしながら現象を理解できるのが魅力です。
 実験前に予習をして、それを実験で再現して、実験後のレポートにまとめる——。このサイクルを繰り返すことで、難しい知識もすんなりと頭に入ってくるようになるから不思議です。物理学や化学の原理に改めて気づくことができるのも、手を動かして学ぶ実験の面白いところだと思います。
 将来は、地元・福井県内で地方公務員になるのが目標です。そのため、学生時代に地域のボランティア活動などにも積極的に取り組んでいくつもりです。環境保全の知識や技術をしっかり身につけて、地域社会に貢献できる人材になりたいと思っています。

徹底的に専門知識を深めた経験は必ず未来の可能性を広げてくれます

環境情報学部 環境・食品科学科

辰巳 佳次 准教授
TATSUMI Yoshitsugu

福井工業大学大学院工学研究科環境安全工学専攻修士課程修了。福井県内の水環境について研究に従事。福井県の坂井市環境審議会会長、あわら市エコ市民会議会長、福井市環境審議会委員なども務めている。

先生と学生の距離が近いのも研究室の魅力。実験のスキルもみっちり鍛えられます

鯖江市河和田地区の地域活性化プロジェクトで農作業をお手伝い。福井県の自然の豊かさを再発見!

大学近くの用水路で水質調査をしているところ。学外でのフィールドワークの機会も豊富です

工学の知識を環境の
理解や保全に役立てる

 私が担当する研究室では、「“農”を通じた地域活性化」をテーマにさまざまな研究を行っています。専門は、環境安全工学。工学の知識を環境の理解や保全に役立てる学問分野と考えてもらえばいいでしょう。具体的な研究活動としては、河川や湧き水の調査を行い、地域の水環境がどういう状態かを調べたりしています。実験や調査では、生物学はもちろん、化学の専門的な知識も求められます。
 私が勤務している福井工業大学の環境情報学部の学生たちは、学部3年次から研究室に所属します。現在、学部3・4年生合わせて20名ほどのメンバーがいて、そのうち13名は女子学生です。理工系学部は女子が少ないと思われがちですが、なかには、女子学生の比率が高い学科も探せます。

課題解決型プロジェクトで
チームで目的を達成する

 現在、研究室で力を入れているのは、所属する環境・食品科学科全体で取り組む「鯖江市河和田地区の地域団体・住民との協働による地域活性化」のプロジェクトです。現地農家でのイモやタマネギなどの苗植えや収穫の手伝いを通じて、農作業の現場や食品の原材料に関する知識を深め、個々の研究に役立てるのが目的です。
 農作業だけでなく、ホタルの鑑賞会などに参加して、地域活性化の道を探る取り組みもあります。こうしたPBL(Project Based Learning/課題解決型)の学びを通じて、学年の違う学生たちが縦につながり、意見を出し合いながら、目的を達成する経験ができるのも研究室の魅力だと思います。
 現地での体験を重視した研究室の活動を通じて学生たちに知ってほしいのは、身近な自然がどういうものなのかを改めて知る面白さです。地域の生態系や人々の暮らしを調べる過程で、新たに発見することも多いでしょう。また、プロジェクトを通じて、世代の違う地域の人々との交流も積極的に経験してほしいですね。現場で話を聞いて自ら問題を発見し、それを解決するために何をすべきかを考えて、行動する力を一緒に高めていきたいと思っています。
 たとえば、ホタルの鑑賞会の企画プロジェクトであれば、最初に里山のホタルを保全または再生したいという課題があるわけです。そこで、現地を視察し、まずは自然のなかで何が起こっているのかを調べますよね。すると原因は水質なのか?エサなのか?といった問題点が見えてきます。そこで次は、その問題を解決するための方法を調べていくことになります。ホタルのケースであれば、水質やエサのほか、産卵場所や幼虫がふ化できる環境を確保する必要もあります。そうした具体的な目的を立てて、自分たちに何ができるかを科学的に考えていくわけです。これが研究室でぜひ身につけてほしい、工学的な課題解決の手法です。
 私たちの研究室の場合でいうと、目の前の現象を詳しく知るための化学的な専門知識も重要です。自分の目で見て、触れて、さらにデータで何が起こっているのか詳しく知る習慣を身につけることは、将来どのような仕事をするうえでも役立ちます。たとえば、食品の成分表示改ざんや地域の土壌汚染のニュースを見たとしても、ただ慌てるだけでなく、自分の価値基準を持って判断ができるようになるでしょう。これは非常に重要なことです。

研究室のメンバーとの
交流は卒業後も続く

 いろいろと難しい話をしましたが、理工系の研究室の活動は、総じてとても楽しいです。同じ研究テーマに興味・関心を持つ仲間と何かを成し遂げる経験は、何ものにも代え難いものがあります。また、研究室は教員と学生の距離が近いので、勉強以外に将来のことやプライベートのことを相談するケースも多く、卒業後も多くのメンバーとの交流が続きます。
 今後は、理工系の分野でもますます女性らしい発想が求められるといわれています。理系科目が苦手でも、勉強のサポートは必ずあります。興味のある学びのテーマがあるならば、ぜひ研究室の学びを通して、徹底的に専門知識を深めてみてください。その経験は必ず、あなたの将来の可能性を広げてくれるはずです。

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