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特集(PC用)

生活の基盤となる住環境やインフラを 建設コンサルタントとして支えたい!

増えていく廃石膏ボードを 廃棄物化せずに有効活用

 私の研究テーマは、建物の解体工事で発生する廃石膏ボードの有効利用です。現在、高度経済成長期に建てられた建物は耐応年数が過ぎ、東京オリンピックの影響もあり、多くが解体されています。そのほとんどに石膏ボードと呼ばれる建築材料が使われています。この廃石膏ボードは、廃棄物処分場で有毒な硫化水素を発生するため、廃棄物化しない処理方法と有効利用が求められています。  私は、建物の地盤を強化する固化材として、廃石膏ボードから再生される石膏を活用する研究を行なっています。日本の土壌は酸性ですが、一般的に使われているセメント系の固化材はアルカリ性なので土壌生態系を崩しかねません。再生石膏は中性で、水を吸収すると地盤を固める性質をもっているため、生態系を乱すことなく地盤改良できます。今後は固化材にとどまらず、ほかの用途での有効利用を検討し、修士論文でまとめたいと考えています。

建設業全般に関わることで 復興の力になりたい!

研究や授業、プライベートで忘れていけないことをメモ。常に持ち歩いています。

 もともと理系科目が好きで、ものづくりにも興味がありましたが、理工系の学部を目指すいちばんの契機は東日本大震災です。ニュースで洪水の被害や麻ひしてしまった公共機関を見るうちに、生活には住環境やインフラが重要だと強く実感。「建設業」を通して、復興の力になりたいと思い進学を決めました。そして4年間で、廃棄物の土木・建設資材としての有効活用について学ぶうちに、より知識を深めたいと思うようになり大学院へ進学。将来は、工事の計画から完成後の維持管理まで、建設の全過程に携わる建設コンサルタントに就職し、復興に貢献したいと思います。業務では住民の方への説明会を行うことも多いと思うので、パワーポイントを使った学会発表や中間報告会はとてもいい経験に。このように、目指す職業を想定しながら学べるというのは、工学部の大きな強みだと思います。きっと将来の力になるはずですよ!

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設備がとても充実しています。1年次に測量の授業があったのですが、測量機がたくさんあるので、生徒が50人以上いても少人数で1台を使用できました。一人ずつじっくり使えたおかげで、全員が測量の仕方を習得できました!

理工ガールが活躍する研究室
工学部 社会デザイン工学科 道路・土質研究室

佐藤 研一
工学部
社会デザイン工学科 教授

九州大学工学研究科水工土木学専攻博士前期修了。博士(工学)。英国・スコットランド・ダンディー大学の名誉特別研究員などを経て、2006年4月より現職。2009年に日本道路協会の優秀論文賞を受賞。専門分野は地盤工学、地盤環境工学、舗装工学。

 私の専門分野には、道路・土質工学に関する3つの研究があります。まず地盤工学では、地震による液状化を防ぐ技術の開発など、世の中で発生する地盤災害の対応について研究。次に地盤環境工学では、鉄鋼スラグや石炭灰、石膏ボードなどの産業副産物を、破棄物として捨てるのではなく、土木・建設資材として有効活用できないかという点に注力しています。舗装工学は、廃棄物を舗装材料に使えないかという研究。道路の舗装が傷んでいく現状を捉えて、最適な補修技術の開発を研究分野としています。  多くの学生が研究室で携わるテーマは、リサイクルと環境保全です。例えば、九州でも問題になっている放置竹林問題です。安価な竹材が輸入される中、農家の人手不足などにより放置された竹林は、山を荒らす原因となり新たな利活用が必要です。その打開策として、竹チップを使った舗装素材があります。竹は靭性・吸水効果に優れており、チップにして舗装材料に加えると、固化材添加率を削減し環境保全を図ることができます。研究室では、企業と協力して竹のイノベーションに取り組んでいるところです。ほかにも、火力発電で発生する石炭灰を地盤材料に使うための研究や、鉄鋼スラグを路盤材に取り入れるための研究など内容は多種多様。どれも環境保全がクローズアップされる現代において、とても意義があるものです。  4年次の前期の終わりから後期にかけては、月に一度、研究室の報告会を行っています。1ヶ月間に取り組んだ研究内容を、1人7〜8分ずつパワーポイントを使って報告。その甲斐あって、自然科学分野の学生を対象とした研究発表会「サイエンス・インカレ」で日本技術士会会長賞と企業賞を受賞するなど、多くの生徒が学会などの研究発表会で表彰されています。大学院生に関しては、修了までに少なくとも1度は何かしらの賞を受賞することを目指しています。この経験を通して得たコミュニケーション能力や伝える力、まとめる力は、就職後に役立つことでしょう。  女性は男性と違う目線でものづくりができるため、建設や設計の現場で従来とは異なるコンセプトが生まれることを期待できます。質が重視されてゴツゴツしたデザインの土木の建物も、女性の視点が加わることで新しいものができるのではないでしょうか。理系の女性は、今後も確実にニーズが高まっていくはずですよ。


道路の埋め戻しに使われている、流動化処理土の流動性を調べる「フロー試験」。流動化処理土に、再生石膏を加えることでより再掘削しやすくなる。


研究室のメンバー。「配合の仕方など分からないことがあると、まめに教授に質問。先輩たちもサポートしてくださり、とても研究しやすい環境です」と藤山さん。

放置竹林を自然にやさしい画期的な土系舗装材料に再生

名古屋市にあるマフラーミュージアム前の小道に 施工された竹チップ舗装

九州をはじめとする西日本各地では、筍や竹材の需要減少から竹林が放置され、竹による侵食被害が社会問題となっています。そこで、社会デザイン工学科の道路・土質研究室では、放置竹林から伐採された竹を用いた竹チップ土系舗装材料を開発し、特許を取得しました。 竹チップ舗装材料は、竹繊維により通常の土系舗装材に比べて耐久性が向上することから、舗装体にひび割れが生じません。また、竹チップの混合によって歩行時の脚への負担が小さく、透水・保水性の向上によりヒートアイランド現象が抑制され、雑草対策にもなるなど、自然にやさしい画期的な土系舗装です。これまでに放置竹林問題を抱えている地域を中心に10例を超える施工実績があり、今後も様々な場所で活用されることが期待されています。

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