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これが 情報学の現在形!

AIやIoTという言葉が一般化してきた現在、情報学の知識はコンピュータやネットワークだけでなく、身の回りの さまざまなものに応用されています。幅広い研究分野の中には、女子も夢中になれるテーマがたくさんあります!


キーワードは「AI」と「IoT」注目を集める先端情報技術

 情報技術の進歩によって社会は大きく変わろうとしています。スマホやパソコンといった身近な情報機器から、自動翻訳や自動運転車といった高度な情報技術を用いたものまで、なんだかSF映画のような世界が広がりつつあります。とりわけ注目を集めているのはA(I 人工知能)技術の進歩でしょう。AIとはArtificialIntelligence(人工的な知能)の略。「人間のような知能を機械に持たせること」あるいは「人工的な知能をつくること」を目標に研究を進めています。
 AI研究で代表的なものは、「機械学習」「自然言語処理」「画像認識」などです。例えば「自然言語処理」は、人間が話す言葉を理解したり、話したりする能力。自動翻訳などが好例ですが、他にもお掃除ロボットや冷蔵庫といった家電の音声対話システムに自然言語処理の技術が活かされています。スマホで文字を入力したときに、勝手に漢字やカタカナに変換してくれるあの機能にも、実は自然言語処理が使われているんですよ。
 AI研究が飛躍的に進歩を見せたのは、実はここ10年ほどのことです。これの発展版で、自ら学習し、精度を高めていく「深層学習(ディープラーニング)」という技術にも注目が集まります。インターネットの発達によって取り込めるデータの量が飛躍的に上がったことで、人間の能力を超えるほどの技術が生まれてきたのです。
 情報技術の進歩におけるもう一つのキーワードは、IoT(Internet of Things)です。「モノのインターネット」と訳されるこの技術は、スマホやパソコンはもちろん、家電や自動車などあらゆるものがインターネットとつながる社会基盤と考えていいでしょう。日本政府も積極的に推進しているもので、IoTによってあらゆる人が質の高いサービスを受けられる「超スマート社会」の実現をめざしています。
 このように、情報学は私たちの世界の基盤をつくり上げる大事な学問です。それでは大学で「情報学」を専攻するとどのようなことを学ぶことができるのか。情報学の世界をのぞいてみましょう。

情報系分野から広がる多彩な研究テーマ

図2 女子も気になる研究テーマがいっぱい



 情報学では、コンピュータのハードウェアやソフトウェア、情報システムが稼働する原理、コンピュータを構成する電子回路の基礎など情報についての基礎となる分野を研究します。まずは初歩的なプログラミング言語や情報処理、確率・統計学などの基礎知識を学んでから、アルゴリズム、データベース、ネットワーク構築などの専門知識を習得。それぞれの極めたいテーマで卒業研究に取り組みます。
 具体的な研究テーマにも触れていきましょう。情報学系の研究テーマは非常に多岐にわたりますが、ここでは「システム開発系」「メディア系」「ネットワーク系」の3つに大別し、その内容を説明していきます。
 まずは、「システム開発系」の研究テーマから。私たちの生活を支える情報システムに関する研究領域です。情報システムというと例えば、インターネットでの航空券・映画チケットのオンライン予約の利用、コンビニや銀行のATM機能などが身近ですよね。これはごく一部の活用例で、企業活動や社会インフラ、教育や医療といったあらゆる分野において、業務を効率化する情報システムはいまや欠かせないものになっています。また、高度な情報システムを構築するために、これからは大量のデータ(通称ビッグデータ)を解析し、必要な情報を引き出すデータサイエンティストの需要が高まると言われています。それには前述した機械学習やディープラーニングといったAI技術が活用される場面がますます増えてくるでしょう。そうした先端技術を駆使することで、情報システムはますます進化するのです。加えて、情報システムが社会に浸透しても、そのシステムをユーザーがうまく扱えなければ意味がありません。「ユーザーインターフェース」と呼ばれる利用者にやさしいシステムデザインの追究も、時代が求める研究テーマです。
 続いて「メディア系」の研究テーマについて。プログラミング言語やCG(コンピュータグラフィック)制作などの基礎技術を習得し、その技術をWebページやアプリ、ゲームなどのメディア制作に応用していくのが一般的な学習の流れ。AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの最新技術も学ぶことができます。さらにLINEやYouTubeといった身近なメディアに関する制作に挑戦する機会もあります。革新的なWebサービスやアプリを開発できれば、将来の商品化につながるかもしれませんよ。
 最後に、「ネットワーク系」の研究では主に、冒頭に述べたIoT社会の実現にもつながる情報通信の基盤を学びます。具体的には、携帯電話回線やインターネットのしくみを追究していく分野と考えればいいでしょう。例えばIoTの研究では、自動車同士をインターネットでつなぎ、互いに通信しながら走行させることで車間距離や速度などを調整して交通事故を減らす実験などが行われています。電子マネーやネットバンキング、ETCなどあらゆるものがネットワークとつながる便利な社会ですが、一方ではプライバシーやセキュリティの管理に配慮する必要もあります。情報ネットワークの安全性を保つための研究も、今後ますます注目されていくことでしょう。

大学での実践的な学びは就職活動に直結する!

 情報学は日々進化しています。これから情報学を学ぶ皆さんは、既存の枠組みにとらわれずに幅広い視野で社会のニーズを見つけて、情報学の知識を応用していくことが求められます。そのためにもまずは、身の回りの生活のなかで、「こういう便利な機能がほしい!」「面白いものをつくりたい」という発想を持つ心がけが重要です。そうした身近な疑問や興味にさまざまな角度からアプローチできるのが、情報学の大きな魅力です。
 情報社会が広がり続けるなか、情報系の人材不足が深刻化しています。経済産業省の「IT人材需給に関する調査」(2019年4月)によると、2018年の時点でIT人材は101万人いるものの、必要な人材数に対して22万人が不足しています。特に「ビッグデータ」「IoT」「人工知能」「ロボット」等に関わる技術と知識を持った「先端IT人材」や、「クラウドコンピューティング」「情報セキュリティ」に充分な知識を持ち、製品サービスを開発できる人材が不足しているとされているのです。こうした現状から、理工系の情報学の卒業生へのニーズは今後さらに高まっていくと考えられます。文部科学省もAI教育の内容に新たな制度を打ち出し、教育プログラムの拡充をはじめました。
 これからは、技術を活かすアイデアやシステム構築の面で女性らしい感性を活かせる場面もますます増えるでしょう。本誌に登場する各大学の先輩の体験談を参考にしながら、進路を考えてみてください。

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