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特集(PC用)

どんなふうにつくられる? どう進化した?みんな大好き!プリントシール機の変遷

女子高生にとって、もっとも身近で楽しい機械といえば……そう、プリントシールの機械!
プリ機もまた、技術の進歩とともに大きな進化を遂げてきました。
ここではプリ機No.1シェアを誇るフリュー株式会社にご協力頂き、プリ機と女子高生の深い関係について解説をします。

「写り」にこだわり、次々に新機能を搭載

 プリ機が最初に登場したのは、現在女子高生の皆さんが生まれる前の1995年。当時はまだ携帯電話が普及しておらず、そこに登場した「プリント倶楽部」は、「撮影するとシールで出てくる!」と大ブームに。その後、プリ機は女子高生の「かわいい!」をかなえるために、どんどん進化を遂げていきました。
 最初の大きな進化は、1999年の「美白」機能。時代はガン黒ギャルから一転して、浜崎あゆみに代表される「白ギャル」が主流に。プリ機も「写り」へのこだわりを強めるようになり、カメラのストロボをプロ仕様に変え、鼻が見えないくらい顔を白く飛ばす機種がヒットしました。
 2001年には、大勢で撮影するためにカメラの画角が拡大。天井カメラが登場したり、リモコン操作でカメラ位置が動いたり。みんなでいろいろなポージングが楽しめると評判を呼びました。
 2003年には顔認識システムを搭載。この機能によって目をはっきりと写し出せるようになりました。ここから「盛れる」写りがスタートしました。2007年には「目ヂカラ」をアピールした機種が登場し、「プリ=サギれる」時代に。当時、プリ機の商品企画に携わっていた稲垣さんは目の大きさを縦方向にしか拡大していないことに疑問を感じ、縦横どちらにも拡大する機能を新機種に搭載。多くのプリ機が「目ヂカラ」を前面に押し出した「写り」を謳うようになりました。
 2009年、全身をきれいに撮影できる機種が登場。これを機に「全身コーデをプリで記録する」という文化が女の子たちの間で生まれました。ハロウィーンの季節には全身撮影ができる機種に長蛇の列ができるなど、今ではすっかり定番機能化しています。
 さらに女の子の願いをかなえる「写り」の進化は続きました。2011年にはナチュラルな美しさを目指す「ナチュラル盛り」が登場。「加工感を抑えた盛れる写り」が支持され、その傾向は現在も続いています。

女子高生のトレンドをつかむノウハウを蓄積

 女子高生のトレンドを研究し続けてきたフリュー株式会社稲垣さんによると、プリ機の進化は女の子の「かわいく写りたい!」という欲望をかなえてきた成果そのもの。女子高生の流行の移り変わりは極端に早いことが特徴ですが、その中で飽きられることなく20年間生き残ってきた要因は、使う人の欲望を細やかにくみ取り、実現し続けてきたメーカーの努力以外の何物でもありません。
 「とにかくプリ機は“写り”がキモ。女子高生が求める理想はとても繊細で、例えば一言で“ふんわり”といっても、いろいろな“ふんわり”感があります。その微妙な部分までつくり込んで、魅力的な商品として女の子たちに提案していくのが私たちの仕事。最近では女子高生のトレンドを捉えるノウハウを使って、雑貨をコラボでつくるなどプリ機以外にもかわいい商品を世の中に広めています」



  • Technology
    学びの分野【技術職】

    ハードウェアの技術者には、工学系・電気系などの学部・学科卒業者を技術職として採用することが多い。一方、ソフトウェアの技術者は情報系の学部・学科卒業者が多く在籍する。ただし、どちらも大学で学んだことは基礎教養で、仕事をしながら先輩社員のもとで一から学ぶことになる。


  • Planning
    学びの分野【企画職】

    プランナーやディレクターは文系理系を問わない。求められるのは「新鮮な感性」。チームメンバーをまとめて1つの機種をつくりあげるリーダーシップやコミュニケーション力、忍耐力が必要。女子高生がどんなことに興味を持っているのか、つねに探り続ける好奇心を持ち、何よりプリ機が好きな人がこの仕事に向いている。


  • Examine
    女子高生の声

    フリューでは一定の条件を満たした女子高生にモニター登録してもらい、1週間に1回以上アンケート調査やグループインタビューを実施している。プリ機の開発は女子高生の声を丁寧に聞き取り、常に確認しながら進めていくが、ヒアリング結果どおりにつくればいいわけではなく、時代を読み取る洞察力も求められる。


  • Joint Research
    大学との共同研究

    東京大学大学院情報理工学系研究科の特任研究員・久保友香さんとの共同研究も継続中。久保さんの研究テーマは「シンデレラ・テクノロジー」。現代の女子高生が何を好み、何を求めてプリ機を利用して写りのよさを楽しむのか分析し、数値化をしたうえで、エンジニアへつなぐなどさらなる発展を目指す。




 

フリュー株式会社
http://www.furyu.jp/

ガールズトレンド研究所所長
稲垣 涼子●いながきりょうこ
大阪教育大学大学院教育学研究科卒業

プリ機の企画・開発をする人たち

フリューの場合、新機種に関わる開発チームのメンバーは以下のとおりです。

  • プランナー

    企画を担当。フリューでは新鮮な感性を求めて、入社1~3年目の女性社員にもプリ機の企画を担当してもらいます。

  • ハードウェア技術者

    プランナー・写り調整者・デザイナーなどと相談しながら、プリ機自体や必要な電気回路などを設計します。安全性、耐久性も重要な要素

  • ソフトウェア技術者

    顔を可愛くする画像処理機能はもちろん、カメラ・プリンターやゲーム画面などプリ機を動かす根幹のソフトウェア開発を行います。

  • 写り調整者

    プリ機開発独自の職種です。カメラの角度や高さ・光学などの環境から、画像処理の調整まで様々な要素を組み合わせ、女の子が「盛れる」写りを実現します。

  • デザイナー

    プリ機の外観、操作画面、撮影背景や落書きコンテンツ、印刷するシールなど機種の世界観に合わせたさまざまなデザインを、社内で行っています。

  • テーマリーダー

    各商品ごとに開発に関わるすべてのメンバーをとりまとめ、スケジュールや予算を管理し、商品の品質を高めています。

 稲垣さんによると、プリ機の企画者に向いているのは、「大人数で遊ぶことが好きな人」。大人数で何かをすると、自然とコミュニケーション力や計画性が磨かれるからだそう。その他にも、開発を通して何度も繰り返される計画⇒実行⇒改善を、粘り強くやり抜く意思の強さも必要です。
 「喜ぶ女の子をリアルでもSNSでも直接見れて、とてもやりがいを感じられるお仕事ですよ」(稲垣さん)

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