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電気という生活インフラの知識を建設業界の仕事で役立てたい!

建築の知識を広げるために あえて電気工学科を選択

M.Tさん

 文理の選択があった高校1 年生のときに、東日本大震災が発生しました。将来、自分に何ができるだろうと考えたときに、幼いころから好きだった建築によって人々を支えたいと思いました。
 建築学科ではなく電気工学科に進学したのは、当時通っていた塾の先生から電気技術の可能性について教えてもらい、興味を持ったから。電気インフラという視点から建築に携わることで、知識を広げられると思ったからです。
 現在は、震災の復興でも注目を集めている風力発電機に関する研究をしています。風力発電機は、落雷によるブレード(羽根)の損傷が課題となっており、それを解消するには電流がブレードを通過する原因の解明と、材料の開発が欠かせません。可能性を秘めている重要な分野なのでとても学び甲斐があります。

電気工学科で学んだことに誇りを持っています!

くろすけと名づけた黒猫の小物入れ。
「青春の友です」と高校生のころから愛用中。

 実は、高校のころから電気系の勉強が苦手で、大学でも授業が難しくて逃げ出したくなることもありました。それでも乗り越えられたのは、「有事の際に建築で人々を支えたい」という、この学科を選んだときの初心に奮い立たされたから。そして、疑問に対して親身になって答えてくださった研究室の花井先生がいたからです。
 卒業後は、建設会社に就職して施工管理に携わる予定です。もともと建築・土木学科のみの採用で、私には応募する資格がありませんでしたが、特別に採用していただきました。配線工事などの業者さんとかかわる際は、電気に関する知識があったほうがコミュニケーションをとりやすく、作業が円滑に進むそうです。また、電気の知識が欠かせない設備課という部署もあるということでした。社員の方からその話を伺って、こんなに求められている分野の勉強をしてきたのだと実感。自信にもつながり、今では電気工学科で学んだことに誇りを持てるようになりました。

苦手だからと夢を諦めないこと

興味のある分野があれば、苦手だと感じていても挑戦するべきです。
大学では、同じように苦手だと感じている友達がきっと見つかり、励まし合うことでモチベーションも上がるはず。
だから諦めずに夢に向かって頑張ってください!

理工ガールが活躍する研究室  工学部 電気工学科 電気材料研究室

男性の多い電気工学の世界。女性の需要は確実に高まっています

花井 正広
工学部
電気工学科 教授

名古屋大学工学研究科電気工学専攻修士課程修了。博士(工学)。株式会社東芝、名古屋大学寄附研究部門教授を経て、2015 年4 月より現職。専門分野は高電圧・電気材料。研究テーマは、「風力発電機ブレード保護の研究」「水を絶縁媒体として適用する研究」など。

 研究室のテーマのひとつに、風力発電機のブレードの耐雷保護があります。風力発電機は、落雷によってブレードが損傷し、発電できないという事例がいまだに見られます。避雷針を設置すればよいと思われがちですが、そうすると予算が跳ね上がり、実用的とは言えません。落雷してもブレードに電流が貫通しなければ破損しないため、研究室ではPET(ポリエチレンテレフタレート)シートと呼ばれるペットボトルと同じ素材を用いて、雷が絶縁物を貫通するメカニズムを探っています。
 このほかにも、水を絶縁媒体として適用する研究なども行っています。実験をするうえで安全管理は欠かせず、お互いが守り合うという仲間意識を持つことが大切です。そのため、私を含めて研究室のメンバーがコミュニケーションをとりやすいよう、研究室の雰囲気づくりにはとても気を配っています。
 どんな研究にしても、周りにその内容や結果を正確に伝えられないと評価につながりません。ですから学生の皆さんには、コミュニケーション能力と文章能力を高めてもらいたいと思っています。当研究室では、2 週間に1 回のペースで1 分間スピーチを実施しています。1 分という時間に事実や自分の感想を凝縮することは、学会や講演といった発表の場に向けての有効な練習になると考えています。
 一概には言えませんが、細かくて正確性が求められる作業は、女性のほうが適しているのではないでしょうか。また、会社組織においても女性研究者が入るということは、男性と違う観点を持っているということで考え方の画一化を防ぐというメリットがあります。
 今後、再生可能エネルギーの需要に伴い、電気関連の仕事はますます増えて、たくさんの人材が必要となってくるでしょう。現在、電気工学の研究者には女性が少なく、企業としては多様な人材の一翼を担う女性技術者を採用したくても採用できない状況です。実際に、企業の方から「女性の研究者はいませんか?」と聞かれることもよくあり、就職活動においても男子学生より有利に進められる状況があると思います。
 理工系の学部は実験が多くて大変ですが、それは自身のキャリアとなります。女性ならではの新しい発想を生かして、研究や開発を進めていってください。


電気材料研究室のメンバー。「将来、同じ分野で支え合う機会が出てくる可能性があるため、卒業後もずっと仲間としてつながっていてほしい」と花井先生。


1000kV 放電実験の様子。インパルス発生装置と呼ばれる人工雷を発生させる装置を使用し、PET シートに電流が貫通するメカニズムを調査。

2018年春、電気電子情報系の研究室が入居する工学部棟が誕生!

2017 年春に完成した「福岡大学総合体育館」に続いて誕生する予定の新工学部棟。

 「電気系の広範囲にわたる基礎知識および高い応用力と実務能力を身につけ、社会的責任を十分に自覚した技術者を育成すること」を教育目標に掲げている工学部電気工学科。その目標に向けて、少人数の学生に教員1 名を割り当てる導入教育のほか、資格取得の支援や少人数のゼミ形式による実験や演習、学科独自のデータベースを活用した就職支援を行っています。
 学びの環境にも注力しており、2018 年4 月には新たな工学部棟が完成する予定です。地上6 階・地下1 階建で、延べ床面積は8,594.00 ㎡を予定。電気工学科からは8 割の研究室が入居し、最新の施設と環境で学習・研究を行うことができます。また、工作ができる「ものづくり工房」や地域多目的支援室なども併設され、さまざまな使い方ができます。

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