ホーム > 未来研究所 > 情報工学系 > 九州大学 > 手術中の医師の負担を軽減する3次元の"脳図譜"を研究中

未来研究所

2018年度版

手術中の医師の負担を軽減する3次元の"脳図譜"を研究中

学生編九州大学
大学院 システム情報科学府
情報知能工学専攻 博士課程3年

S.M 先輩
私立樟南高等学校出身

人種、年齢などによる脳の個体差の情報を分析

 皆さんは脳図譜(のうずふ)というものをご存知ですか? 脳図譜とは、医師が外科手術で脳内部の特定の神経核に電極を刺す際、外側からでは特定の位置を確認することができないため、それを頼りに手術を行う、いわば脳の地図のようなもの。現在、脳図譜の作成には若い欧米人の脳が用いられていますが、実は脳は年齢や人種、病歴などで大きな個体差があります。そのため、現在の脳図譜では日本人の脳に正確に応用することができず、手術の精度は医師の経験値によるところが大きいのが実情です。
 そこで、私が所属する研究室ではプログラムを作成し、個体差を数値化した患者固有の3次元脳図譜構築の研究を行っています。複数の患者のMRIやCTスキャンの画像データをもとに、大規模の脳図譜データベースを構築。さらに、実際の脳の標本をスライス状に解剖して行う研究で得られた組織の輪郭情報と統合するなど、複合的な情報をもとに、3次元の正確な脳の情報を作成しています。九州大学の医学部とも連携し、手術見学やシステムの試用実験を通して、実用化に向けた研究を進めています。

医療現場の負担を軽減工学の力で未来を変えたい

 今後は大学の研究員として医用工学をより深めていくことが目標です。そして、現在研究を進めている3次元の脳図譜は実用化をめざし、医師一人ひとりの技術的、体力的負担を軽減することで、病に苦しむ多くの人々に最先端の技術が行き渡ればと思っています。情報工学系の分野は、アイデアとパソコンさえあれば、自身の手でそのまま実現化できるのが研究の醍醐味。そして、それが人々の未来に役立つ可能性を秘めていることも、この世界の面白さです。

私のお気に入りアイテム

毎日のパソコン作業にブルーライトカットめがねは必須です。目の疲れ具合が違います!

ひとこと

ものづくりって楽しい!
幼いころ工作が得意で、牛乳パックやティッシュの箱など家にある廃材を組み合わせて、工夫しながらものづくりをすることが大好きでした。今ではそれがパソコンに替わり、自分の頭のなかのアイデアをプログラミング技術を使ってカタチにしていくことが楽しく、あのころの自分の姿にリンクしているようです。心の奥底にある“楽しい”という思いが研究の源になっています。



同じ分野の記事を見る!

情報工学系の全ての記事を見る

このページのトップへ