奈良女子大学 大学院 人間文化研究科 生物科学専攻
M.S 先輩
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研究フィールドは大学近くの湖! 月に1 回は船に乗って調査します。

国の工事によってできた 「浚渫窪地」が……
私の研究対象は、島根県と鳥取県にまたがって位置する「中海」。シジミで有名な宍道湖の東
隣にある汽水湖* です。この中海では、かつて国による干拓事業により、大規模な浚渫工事が
行われました。しかし、計画は途中で頓挫。大きくえぐられた湖底が放置されています。
こうした「浚渫窪地(しゅんせつくぼち)」にはヘドロがたまりやすく、湖水の水質環境の悪化が指摘されるようになりました。そこで私たちの研究室では、地元企業との共同プロジェクトにより「高酸素水導入装置」をこの窪地内に沈め、水質を修復させる実験を行っています。
* 海水と淡水が入り交じっている湖
「富栄養化」が起こると 湖はどうなるの?
ヘドロから溶け出した窒素やリンなどの栄養塩は植物プランクトンを増やしますが、増えすぎるとアオコや赤潮など「水質汚濁」の原因になります。湖水が栄養過多(富栄養化)になると魚が激減するなど、周辺の漁業や水産業に大きな影響を与えてしまうのです。
私たちの装置は酸素の補給だけを行い、あとは自然の自浄作用に任せるというもの。月1~2 回、船で湖上へ行き、湖底の堆積物と湖水を採取して分析します。装置を沈めた窪地の水質は少しずつよくなっているんですよ。こうした専門的な装置を自分の責任で扱って実験を行えるのは、理工系の学びならではです。
将来は、水にかかわる仕事に就きたいですね。以前から環境に興味があり、自分には何ができるか考えていました。安心して飲める水をつくる、排水などの設備をきちんと整える、河川の水質を改善する……といった、社会に貢献できるような仕事をしたいと思っています。

わたしの大学院生活
学部の勉強よりも深く、専門的に学ぶのが大学院。研究室に通って地道に実験をする毎日が続くので、こつこつ努力できる人に向いていると思います。企業の研究・開発職を目指す場合、大学院卒が条件になっているところも多いようです。
研究は企業や他大学との共同プロジェクトなので、報告会なども多く、とても刺激になります。同じ分野でも研究内容や経験が異なるので、討論し合うことで新しい発見があります。社会とのつながりを実感できる点も大学の学びの魅力だと思います。
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