奈良女子大学 大学院 人間文化研究科 生物科学専攻
M.S 先輩
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既知の事実は研究テーマの対象外。 未知の領域に挑むのが大学の研究。

毒性のあるフッ素化合物を 微生物を用いて分解する
私の研究テーマは、フッ素化合物の生化学的分解です。フッ素と聞いて、「歯のコーティング」を思い浮かべる人も多いことでしょう。歯科治療以外にも、フッ素化合物は工業製品のコーティング剤として幅広く使用されています。ただ、便利な半面、種類によっては毒性があり、分解も難しいことから環境への負荷が懸念されています。そこで、私の研究室では、放線菌などの微生物を用いた環境にもやさしいフッ素化合物の分解技術を研究しています。整理すると、フッ素化合物を微生物を用いて分解し、フッ素に戻してリサイクル利用するのが狙いです。
実験では、微生物の遺伝子を組み換えて改良するようなアプローチも試みます。こういった手法は、医薬品開発の分野などでも大きな役割を担っています。
化学的に難しいことが 生物に任せるとできる
小学生の頃からずっと理科が大好きでした。生物学の面白さにのめり込んでいったのは高校生の頃。体温が上がると発汗する、血糖値が上がるとインスリンが分泌される……といったヒトの体が長い歴史の中で培ってきた言わば“当たり前”の機能が、実はスゴイことだったと気づいたのがこの頃でした。
化学的に難しいことが、生物に任せるとできてしまう。しかも、そのプロセスが解明されていない例がたくさんある。そんな話を生物の先生から聞くたびに、バイオテクノロジーの分野に強い関心を持つようになりました。
高校の先生に「バイオを専門的に学びたい」と相談すると、すすめられたのが東京工業大学の生命理工学部(第7 類)でした。バイオテクノロジーの分野に特化した独立キャンパスで、最先端の研究に取り組める環境に魅力を感じ、進学を決めました。
東京工業大学に入って、「既知の事実は当たり前の知識で、誰も知らないことを解明するのが大学の研究だ」ということを思い知らされました。役立つかどうかもわからないけれど未知の領域に挑み続ける。だからこそ大きな発見がある。 そこに「やりがい」を感じています。

学部卒業後は大学院に進み、現在所属する北爪智哉教授の研究室で研究を続けたいと思っています。しっかりと研究スキルを身につけて、医薬品や化粧品の研究・開発の仕事に就きたい。自分が開発にかかわった製品が広く世界で使われるのが将来の夢です。
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